KBCコラム
小1の壁
2024/08/21
主に、共働き家庭において、子どもを保育園から小学校に上げる際、直面する社会的な問題を、『小1の壁』といいます。
保育園では、延長保育があるところも多く、ある程度遅い時間まで子どもを預かってもらえます。
しかし、公的な学童保育では通常18時で終わってしまうところも多く、保育園よりも預かり時間が短くなってしまい、子どもは、家で一人で過ごすことになります。
小学校に入学して急にしっかりするわけではないので、保護者は安全面でも精神面でも心配がつきません。
また、小学生になると、時短勤務制がなくなる企業も多く、子どもの小学校入学を機に働き方の変更を迫られるワーキングペアレントの方が多くいるのが現状です。
就学前と後でなにがかわるの?
小学生になると、今まで保護者の予定に合わせられていたスケジュールが学校の開門時間や下校時間、学童の受け入れ時間などによって難しくなってくるのです。
子ども
・一人の時間が増え、危険に巻き込まれてしまう可能性
・一人で過ごす時間が増え、登校時間や宿題など自己管理しなければいけなくなる
保護者
・出社や帰宅の時間を検討しなければならない
・雇用形態を変更しなければならない可能性も
・長期休み期間のお弁当作り、平日実施の学校行事への参加など、保護者負担の増加
年間を通して起こる小1の壁
春
・入学後、1週間は給食が始まらず、お昼前に下校
・公設の学童保育の中には4月1日から利用できないケースも
・保護者会、引き取り訓練、PTA活動など、入学式以外でも保護者参加の行事が多々
夏
・夏休みのお弁当の作成の悩み
・定員の問題で「夏だけの利用」ができない学童保育も少なくない
秋
・行事が多く、仕事の調整が難しい
・日が短くなり、小学校・学童保育から一人で帰宅させるのが心配
冬
・インフルエンザなどの感染症が流行り、学級閉鎖で預け先がなくなる
・年度の変わり目で新しい習い事・塾など検討も始まるが、時間が取れない
更に小学生は、幼児を卒業して学童期に移り、思春期へと移行する時期です。知的能力が飛躍的に発達し、自律的な自我意識を持つ人格が形成されるようになります。発達過程にいる学童期は、幼児期と同様、周囲にいる大人の存在がとても重要です。
大切な放課後
小学生が放課後と長期休みに過ごす時間”年間約1,600時間”
小学校低学年の子どもが学校にいる時間は、年間約1,200時間。これに対し、長期休みなども含め放課後に過ごす時間は、年間約1,600時間になり、子どもが放課後過ごす時間は、学校にいる時間よりも、年間約400時間も多くなります。
かつては、子どもたちは放課後に、家庭や地域社会において、家事や自然体験などを通し、基本的な生活習慣、生活能力、他人に対する思いやりや善意の判断、自立心や自制心、社会的なマナーなどを身につけていました。
しかし、昨今では、核家庭化が進み、共働き世帯の増加により家庭や地域社会といった“学校外”でも子どもの教育機能が低下しています。
このような社会環境の中、情報教育の育成上、大切な時期である小学生の”放課後の充実”が重要となってくる
学童保育は、基本的な生活習慣、生活能力、他人に対する思いやりや善意の判断、自立心や自制心、社会的なマナーなどを身に着ける場として、注目され始めています。
一口に学童保育と言っても、実はいくつかの種類があり、子どもを預ける時間、場所や費用によって学童保育の種類を選択することが可能です。